危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
「そんな、私は何も……」


涼のテストが良かったのは、本人が少し本気を出しただけであって、私には何も関係ない事だ。


だから、私のおかげとか言われるのは心苦しいだけ。


それよりも、涼のご両親は涼の本当の実力に気付くべきだと思う。そして、本当の涼に……


「それでね……、いやいや、下でみんなと話そう?」


「“みんなと”って、何を?」


「いいから、いいから。とにかく下に行こう? な?」


「うん……」


何の話だろう……
家庭教師の話みたいだけど、それだと嫌だなあと思った。


嫌なのは私だけでなく、母も冴子も嫌がると思う。


なぜなら、あの二人は私が家庭教師をしている事を快く思っていないか、感心がないかのどちらかだと思うから。


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