Glacial HEART [短編]


*湊都*



この家だって、初めて来たけど、高校生が独りで暮らすのには広すぎる。

家具は最低限のものしか置かれてないし。



ここに独りで住んでて、不安なこととか心細くなることとか絶対あるはずなのに、俺はそんな言葉を聞いたことがない。



それどころか、家族の話だってよく知らないし。
俺は、綺夜が話してくれるまで待とうと思ってる。





でも、さっきは熱が上がったからか素直に話してくれてた。



いつもあーやって思ったこと言ってくれていいのにな。
やっぱり綺夜はわかってないよ!

と一人で頷く。



でも、なんで俺突き放されたんだろ?
実際、ほんとに嫌だったとか!?



…いや、ないよね!?
さっきああ言ってくれたし!




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