画面の向こうに甘いKiss☆

「…由芽!?…どうしたの?」

「ごめんっ。美佳、今日はもう帰る!次の講義、出席カード出しといて!」


もう我慢出来ない。
こらえられない。

自分のぶっきらぼうな言い方に後悔しながらも、私はテーブルに1000円札を置いた。


「………え、それはいいけど…由芽!?」


美佳の呼びかけを無視し、私はカフェテラスを出て行き、大学の校門をくぐる。




あのままだと…私、美佳の前で泣いてた。
多分もう涙目だったと思う。


――それぐらい、ハッチから連絡を拒否されたことが、

すごく…ショックだった。




翌日。



美佳は何も言わず、一緒にいてくれた。
正直とっても助かった。


このまま、ハッチのこと…忘れられたらいいな。



初めて出来た男友達だと…思ってたんだけど。やっぱり…無理だったみたい。


でも、いつか、ハッチが声優として活動したら、応援することぐらい…許してくれるよね?




そして――月日は流れ、私は大学2年生になっていた。



< 23 / 92 >

この作品をシェア

pagetop