画面の向こうに甘いKiss☆


「ねぇ知ってる?」


隣の席に座っていた同じ学部の友達が急に私達の話に入ってきた。


「ん?どうしたの?」

美佳が聞くと、彼女は得意げに笑った。


「この大学に俳優さんが入学してきたんだって!しかもイケメン!」

「えぇ!?」


またイケメンか…。
もういいよ、イケメンは。

でも美佳は嬉しそうに「それで?それで?」と乗り気だ。


「なんか~AO推薦で入ってきたみたいで~。でも一回も登校してないみたいなの」

「へぇ。売れっ子なのかな?」

「ねーっ。名前はまだ割れてないからさ何とも言えないんだけど。美佳も由芽ちゃんも狙ってみたらいいじゃん!」


「ちょっ…美佳はいいけど、私は無理だって!」


何言い出すの~!
俳優さんと私なんて、月とスッポンの差よりも差があるよ!
しかも年下だし。


「狙うだけタダだよ~。…って!あっいっけない。私、友達と約束してたんだった!

じゃあね、バイバーイっ♪」

「…バ、バイバイ…」



な、なんだったんだろう……。
すごいな、それにしても情報通ってやっぱどこの学校にもいるものなんだ。




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