画面の向こうに甘いKiss☆

ハッチ『俺、やっぱりドリーとは会えないし、連絡出来ない……。そう伝えに来たんだ』


嘘だ……。

ううん。本当は分かってた。
頭の隅では少し予想できていた。
だけど、やっぱり目の前でメッセージとして表示されると胸がおかしくなる。
苦しくなるよ……ハッチ……。

いつの間にか画面がボヤけていて、
ポタポタと机に水滴が落ちる。

泣きたくなんかないのに……。


ハッチ『……ドリー?ごめん……。嫌っているとかじゃないんだ……。むしろ……』

ハッチ『……いや、言い訳だよな……。ドリー……』


ハッチは私が返信をしないからなのか、気遣ってくれているのか、次々とメッセージを発信してくれる。

少し震えながらも、私はキーボードを叩いた。


ドリー『ありがとう』


そうメッセージを送信し、直ぐ様退室ボタンを押して、パソコンをシャットダウンした。


暗くなる画面を見ても、鮮明にさっきの事が思い出されて、また胸が痛くなった。

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