そらぐみ

そのとき、瀬野はスッと立ち上がり顔を上げた。


彼女の目は、少女のそれではなかった。



鬼……。



松本は小さく悲鳴を上げた。


「許さない。
絶対許さないから。」


耳に絡みつくような低い声が、生徒指導室の中にじわじわと広がった。

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