Addict -中毒-

赤いテールランプ














**赤いテールランプ**













うっすらと目を開けると夜の気配を滲ませた空に赤いテールランプが煌々と連なっていた。


そのランプの色は私に警告を促しているように



思えた。






――――

――



泡沫の夢の中で―――………


私は足を速めるように走っていた。


着物の裾が脚に纏わりついてもつれそうになる。


急ぐ私の手を、誰かの手に握られた。



大きくて―――温かくて……全てを包み込んでくれる温もりと、全てを奪っていく情熱を含んだ―――



その手は


啓人のものだった。




< 161 / 383 >

この作品をシェア

pagetop