My best friend



何が何だかわからないといった様子のひー。
戸惑っているのが手に取るようにわかった。


だけど、そんなの構わない。


「ひー!」


「はるっ……どういうこと?打ち上げって……?」


「美香子さん!いいですよね!」


あたしが聞くと、美香子さんは「遅くなる前に帰りなさいよ」と承諾してくれた。


「ほら、行くよ!」


「えっ? あっ……」


ひーの手を取り、みんなが待つほうへ駆け寄る。


すると同時に、「せーのっ」という高村くんの合図で、クラスのみんなは声を揃えた。



「裕菜ちゃん!退院おめでとーうっ!」



そう、これはあたしと高村くん、そしてみんなで密かに計画していたこと。


ひーが退院するのはもう春休み。


ひーはみんなに会うことなく、二年生を終えてしまった。


だからこれは、みんなからひーへの退院祝いというわけだ。


美香子さんにも事前に話しておいたから、そのへんは大丈夫。



「ひー!早く学校行くよ!」


「学校……?」



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