十字架に愛を
でも、血を吸われてでも、そばにいて優しくしてくれるなら、これでいいのかもしれない。
「…き。しゅーき。そろそろ授業。」
大好きな人の声で目が覚める。
「…っ琉。ごめん、私また…。」
「悪い。吸いすぎたな。」
琉はしょんぼりした顔で私の頭を撫でる。
「ううん。ほら、大丈夫!教室戻ろ?」
私は笑顔で立ち上がって琉の前を歩く。
大丈夫。
琉が優しくしてくれるから、私はどんなにふらふらでもまっすぐ歩ける。
私は気力で歩いて教室へ戻った。