十字架に愛を



藤堂くんはそう言って私の額を触る。


「だっ、大丈夫だよ!」


驚いて私は後ろに下がる。


「あぁ、ごめん。彼氏の前で。」


え…?


彼、氏…。


後ろを見ると、琉。


「あっ、り、琉は別にっ…かっ、彼氏じゃ…な、いよ。」


自分で言ってちょっと悲しくなる。



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