孤独な花と孤高の王子





―――翌日、会社に向かうと開発室の前に誰かが立っていた。


開発室以外は、社員であってもこの建物には入れない。
…誰かを待っているんだろう。



「………あ!おはよう、笹倉さん」


私がその人の横を通り過ぎようとすると、その人は私にそう声をかけてきた。


とっさの出来事に私はびっくりして、声のほうを振り返る。



「昨日は助かったよ。相手先からもお褒めの言葉をもらったしね」


そこまで言われてよく顔を見ると、昨日のあの人だということに気づいた。





< 18 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop