孤独な花と孤高の王子





病院の玄関を出て、私たちは無言で駐車場までの道を歩く。


私は篠宮さんの顔を見ることができなくてずっと下を向いていた。


………勝手にあんなこと言って、怒ってるよね?


しかし彼は、不意にこんな声を上げた。






「どっか別の場所で、話聞かせてくれない?」


そう言うと彼はまた私を車に乗せ、彼の行きつけだというイタリアンレストランに連れて行くのだった。





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