孤独な花と孤高の王子





―――院長先生の言葉通り、義父は数日後退院した。


病院から帰ってきた義父は、久々の我が家に心の底から嬉しそうな表情でリビングのソファに腰を下ろす。



「…やっぱり家が一番だなぁ」


そうつぶやく義父の背中を見ながら、私は義父の変化を実感していた。


以前よりもだいぶ痩せた身体。
………それを見ていると、“終わり”が近づいていることだけを感じてしまうのだ。



「さ、ご飯にしようか?今日はおとうさんの好きなもの作るね!」


私はわざとらしいくらい明るい声でそう言い、台所に向かった。





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