君と書いて「恋」と読もう。
「さよならの意味が分かんねぇよ」
僕は、『意味が分からない』と現実をたぶらかすことが、多い。
いくらたぶらかしたって、何も変わらないのに。
その先の答えに、釘を刺そうとする。
頭の悪い人は、きっと素直にその先を知ると思う。
でも、その方が、楽なのかもしれない。
僕は考え込んで、空を見る。
なんのために、こんなに空は大きいんだろう。
ほら、また。
冷たいのに、僕を包む風が吹く。
そして、僕の心をさらっていく。
百合への気持ちもさらっていってほしいけど、何故だか、忘れるのがイヤで、風に預けるのは、やめた。
一欠片でも、百合の温もりを。
百合への想いをこの心のどこかに、残しておきたい。
百合と出逢って後悔していない。
きっと僕らはまた、何度もこの先過ちを起こす。
でも、その時は、百合の温もりを思いだす。
そして、次へと進もう。
そうこの屋上で誓う。
次は次こそは、赤い糸を掴めるように。
僕と書いて「愛」と読めるように。
いつか出逢う誰かと僕が「恋愛」と読めるように。
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