だからキスして。

実はそのころ、あたしの環境は最悪だった。

パパもママも外に恋人を作って家に帰らない状態が続いていて

誰もあたしの事には興味もなかった。

あたしはやり場のない怒りを抱えたまま…援交ばかりをしていた。

援交っていうか…身体を売って気を紛らわせていただけかもしれない。

その頃、出会った中で催眠治療をしていたお医者さんがいたの。

それが面白くて、あたしは催眠術を勉強したり教えてもらったりして

あたしの身体が欲しくてお金を払う奴らに催眠術をかけて、たくさんのお金を支払わせたりしていた。

──全然
胸なんて痛まない。

自業自得でしょ。

それでもsexはしてあげてるんだから、良心的だよね。



だけどこんな事、友達には言えなかった。

好き勝手な事をしているはずなのに…食欲が落ちていく。

気持ち悪い
吐き気が止まらない。

そんなときに、幸哉先生が気づいてくれた。

でも…その時のあたしは本当に荒んでいた。

幸哉先生の言葉は大きなお世話って感じだった。

勉強する気もないのに、塾なんて行くんじゃなかったって

後で後悔していた。

それから何もかも面倒になって、あたしは塾に行かなくなった。
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