おぼろ雲
その一瞬に 戸惑うべきか

いつでも捨てられなかった可能性
最近置き去り気味だった可能性

あの一瞬に 塞き止めた恋

いつも通り受け流すには 少し水が足りなかった

そんなことは知る由もなく
口を開く男が 憎々しい

頭骨に響く 他の誰でもない
偽りだらけの声が 振動している

そんなことは知る由もなく
はにかむ男が 慕わしい

無くなりかけのグラスの水
一気に飲み干す強さがあれば
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