東の神殿と歌姫



ーーーどうしてこうなったのか




フィルイは刀の刃を手入れしながら考える



「えっ、薬草なの?」

「そうよ。確か、すりつぶして傷につけるの」

「私、食べるだけだと思ってた」


今フィルイ達がいるのは王都から外れた農村地域。田畑や村を分けるように大小の雑木林が点在する中、比較的に常緑樹が多く林道からも離れた林で
その中の一角にあった小さい庭の様にひらけた場所

馬の為に休憩を何度か挟み、日の出になると速度を速めさせ田舎道へと辿り着いた


樹に繋がれた馬車馬の側、岩に腰掛け地面に置いた鞘を手に取ると、少し離れたところにいる女の子達の会話が聞こえてきて、フィルイはそっと息を吐く

どうやら気が合ったらしい。荷台で寄り添うように寝ていた2人は悪路だったにもかかわらず、一切の疲れを見せることなく楽しそうな表情を見せ、笑い声も聞こえる






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