BlackLove
「電話切った?」
隣にいた隆平があたしに話しかける。
「うん、これでいい。龍哉にあたしは生きてるって伝えられたから。」
まだ耳に残ってる。
龍哉の声。
少し不安そうに話す声。
前よりちょっと低くなったのかな?
忘れられない。
好きだから。
でも、この気持ちも忘れないと。
「会いたくないなら、早く病院出ろよ。きっと、あいつのことだから大急ぎでこっちに向かってるだろうし。」
「うん、また隆平の家行くね。」
あたしは、行きと同様
走った。