* 王子と契約彼女 *

勘違い





――――――
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――



「なな、テストどうだった?」

「うう‥(泣)」



優くんとの下校中。

薫くんにばれてから二週間が経ち、今日はテスト最終日だった。

薫くんは約束通り、優くんとのことはバラしていない。

ただ、私へのアタックはいつも通りしつこいんだけどね‥。



「まあ気にすんな(笑)それより、もうすぐ夏休みだぞー!」



凹む私をよそに、優くんははしゃぎだした。

あれから結局告白出来ず仕舞い。

夏休みは嬉しいけど、



「(やっぱり、夏休みの間はこうして優くんに会えないよね‥)」



学校があれば、今みたいに一緒に登下校できるのに。

テストの結果もあるけど、いろんな優くん事情で夏休み前のこの状況もはしゃげない私。



「なな元気なーい。(ムニー)」

「優くん、ひ、ひたひ‥」



優くんは私の頬をひっぱった。



「あ、そういえばさ」

「?」



すると優くんは、サブバッグから何かを取り出そうとする。



「これ!」

「???」



差し出したのは、最近近くに出来たお化け屋敷のチケット。



「一緒に行こーっ」

「え"」



誘ってくれた喜びより、お化け屋敷に気を取られる私。



「お、お化け屋敷むり‥」

「なんでぇ?」

「怖いもん(泣)」

「俺いるから大丈夫だよっ」



私はハッとした。

"キャー!優くん怖いぃ""俺が守ってやる!""優くーん♪"

なんて言いながら優くんにひっつくチャンス?!

夏の暑さのせいか、壊れはじめる私だった。



「うん、行く!」

「おっ☆俺部活あるからー‥8月1日ってどう?」

「わかった!」



この日は優くんとのお化け屋敷デートをシュミレーションしながら、眠りについた。




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