* 王子と契約彼女 *

気持ち





「優くん‥他の女の子とお化け屋敷行ったんだ‥しかも‥抱き着いちゃってって‥言ってた‥」



学校から出た帰り道。
さっきあったことが頭から離れなくて、涙が止まらなかった。



「(こんな事になるなら、もっと早く本当の気持ち伝えて振られればよかった‥)」



「‥ななちゃん?」



泣きながらの帰り道、声をかけてきたのは、優くんの友達の恭平さんだった。



「あ‥恭平さん‥‥‥」



恭平さんがこっちに近寄って来るから、急いで涙を拭う。



「どした???」

「べ、別に、なんでもないですっ」

「そっか‥」



恭平さんは私が泣いていたのを分かりながら、何も聞かずにいてくれた。



「あのね、ななちゃん」



すると、恭平さんが話し出した。



「優な、ななちゃんの話ばっかりするんだよ。部活中も、ほとんどがななちゃんの話なんだよ?」



恭平さんが何を言いたいのか、今の私には何も分からなかった。



「ずっと前、ななちゃんがここの高校受けたとき、ななちゃん、優と会ったんだよ。あん時可愛いって思ったらしくて、ななちゃんがうちの高校来たって知って喜んでたんだ」



「え‥?」



「ま、ななちゃんは知らないだろうけどな。付き合うフリとか言ったらしいけど、優は本気なんだぜ?」



「(本‥気‥?)」



いきなりの恭平さんの話に私はついていけなかった。



「あ、♪恭平ー!!!♪♪」



すると、後ろからさっき優くんと話していた女の子が走ってくる。



「お、愛美♪♪♪」




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