* 王子と契約彼女 *

再会





「‥‥1番だあ‥!」



朝になって、さすがに自分だけでも少しは課題を進めておいたほうがいいと思い立った私は、いつもより一時間も早く学校に着いてしまった。

教室には一人。
早く着きすぎたのか、校内に生徒はほとんどいない。



「こんな早いのはじめて♪」



いつにない朝の光景に、一人気分が上がる私。



「いかんいかん‥課題やらねば」



なんのために早く来たのか。
気分を落ち着かせ、課題に集中。







「‥あれ、」



課題を進めはじめてすぐ、教室のドア付近から聞き慣れない男の子の声。



「?」



私は教室のドアの方に振り向く。



「!」



そこにいたのは、"学園の王子"、"優くん"だった。



「(ななな、なぜここに?!)」



教室には私一人。
振り向いた先には"好きな人"がいて、混乱する私。

だって、ここは3階。1年は3階で、2年は4階だから、"優くん"は3階に用はないはず。



「‥‥‥‥あ!」

「ッ!?」



いきなり閃いた!といわんばかりに声を上げた"優くん"に、びっくりして固まる私。



「(ももも、もしかして、わ、私のこと、覚えてて‥くれた‥?)」



淡い期待を抱きながら、"優くん"は続けて言う。



「ここ3階かあ!」



「‥(違った‥‥‥)」



内心ショックを受ける私。

それはそうだ、あんな一瞬のこと、あの"優くん"が覚えててくれているはずがない。



「(それにしても、"優くん"学校来るの早いんだな‥)」

「朝早くから勉強?」

「!」



突然の"優くん"の問い掛けに、戸惑ってしまった。



「は、はい!勉強っていうか、課題なんですけどね(汗)」

「へぇ〜えらいじゃん!♪」

「あ、今日までなんで、‥急いでやってるんです(汗)」

「やるだけえらいよ♪頑張って♪」


「(あ‥)///」



"優くん"はまた、あの時のように頑張ってと言って、また天使の笑顔を私に向けてくれた。




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