最低男に恋をして。

高嶺悟




「あぁ、やば。」

鏡に映る、目が腫れた不細工な顔。

何を隠そう、
それは正真正銘私の顔だ。


「ねぇ、お母さーん
冷やしタオルー」

と、言ったところで、望みの品が出てくるわけもなく。



「お母さん忙しいんだから自分でやって!」



お父さんが単身赴任になったのは
私が六歳のころ。

で、
七歳になったとき
お母さんが昔働いていたエステサロンで
また働きだして。


それからは
家の家事は私がしていた。



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