最低男に恋をして。

バイバイ




「っくしゅん」

一夜明けて
私は、昨日のずぶぬれのせいで風邪を引いている。


「茉莉子、加奈子ちゃん来てくれるわよ?」

珍しくお仕事が休みのお母さんが控えめに部屋に入ってきた。


「ごめん、
今日はかえってもらって…。」

今は、聞かれたくない。
高嶺悟のこと…
何も聞かれたくない。



「何が帰ってもらって。よ。」

「っえ?」

また布団を被ろうとした私にユリの不機嫌な声が聞こえる。


「あんたねぇ、散々祭を台無しにしといて風邪ひくなんて本当にバカ?」

いつもは聞き流せるはずの鋭い言葉も今日はザクザク胸に突き刺さる。


「あーぁ。ひどい顔。」




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