最低男に恋をして。



「おい、おま…」
「茉莉子おはよ!」

高嶺悟と私の間に割り入って
ニッコリ笑う唯くん。

「あ、唯くん…」

「また髪巻いてるの?
可愛い」

髪に触れる唯くんに思わず目を見開いた。

…な、なんで?唯くん

「茉莉子は可愛いからなんでも似合うけど」

その言葉に胸が疼いた。


山崎慶が言ってくれた
言葉を思い出して。



チラッと彼を見た。

だけど、
彼は私を見てなくて…。


「そんなこと言ってもなんも出ないよぉ」

わざと笑った。
なんも楽しくないけど
大げさなまでに…。




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