最低男に恋をして。



唯くんはあれ以来
あからさまに私に話しかけたり近づいたりしなくなった。

なんだか、寂しいような
ホッとしたような…。複雑な気分。



「そうだ!」

突然大声をだした加奈子。

「なによ?うるさいわね」

「茉莉子、誕プレ何が良い?」

「…誕プレ」

そっか、もうすぐ誕生日だ。

すっかり忘れてた…。


「そうだよ。
なにがいい?」

「うーん。

欲しいもの……
特にないや。」

「信じらんない。
今時の女子高生が言うこと?」


「だって、本当にないよ」

洋服は自分で選びたいし、
文房具も足りてるし、
部屋にクッション置くようなでかい部屋はない。


「ふーん。
じゃあ、茉莉子が一番欲しいものあげる。」
「っは?
だから、無いんだって。」

「あるわよ、わかるもん。」

なんで私にわかんないのに加奈子にはわかるのよ。


失笑して机に伏せた。



たかみ…悟先輩の誕生日はいつなんだろう?

ファンなんだから、気になって当然だよね。

私、変じゃ、ないよね?




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