最低男に恋をして。
「ねぇ?なに?
私、倒れたの?」
数学の授業のあと、
プッツリ記憶がない。
ってことは、倒れたの?
「倒れたっつか、爆睡」
「爆睡?」
やだ、恥ずかしい…。
平気?
いびきとかかいてなかった?
よだれとか垂れてないかな?
確認するために
口元に伸ばした手を
高嶺悟が掴んだ。
「なに?」
高嶺悟は渋い顔をして、
私の目尻に触れる。
ドキン。
大きく胸が鳴る。
だって、
高嶺悟の目が、手がすごく優しいから…。