I can …


「…………」



追いかける気力を失った
宙友衣子は、足を止めた。


代わりに、
喧騒に負けない怒鳴り声で、



「柊──!
アンタまで
迷子になるなよ──!!」



と叫んでやった。


彼の背中は、
やはり、何も答えなかった。


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