残像の国のアリス





「お姉様、私は本が大嫌いなの。絵本にしましょうよ!」

そう、私は文章ばっかりの小説なんか大嫌い。だってつまらないでしょう?

世の中だってそうなのよ。面白くないと意味がないの。そして、今の私の生活はつまらない。私はもっとスリルな生活がしたいの。

「アリス、絵本ばかり読んでも賢くなれないわ。貴女も立派な大人になるんでしょう?」

お姉様はいつもその台詞ばかり言うの。
そんな私の名前はアリス、そして私のたった一人の家族である姉のリリス。

私がまだ幼い時に両親は亡くなったのだ。それから私は姉と二人で生活をしている。

あ!忘れてた!私にはもう一人家族がいるの。
それは猫のダイナ、両親を亡くして、落ち込んでた私を元気づけようとお姉様が買ってきてくれた。だからダイナも私の大事な家族なのよ。

「アリス、気晴らしに紅茶でもどう?」

「紅茶?私、お姉様の作った紅茶大好きなの!」

お姉様の紅茶はどこの紅茶よりも美味しいの。

「じゃあ、紅茶作ってくるから。そこで少し待ってて」

「分かった」

そう言い、お姉様は近くにある家に向かった。
ここは家の近くの公園、私達は毎日公園の木の下に座って勉強するの。

正直言うと、勉強なんてしたくないの。だけどお姉様がうるさいから仕方なく勉強するの。

「ハァー、誰でも良いから私をスリルのあるどこかに連れて行ってよ。………なーんてね」

本当、自分で言ってても馬鹿馬鹿しいくらいよ。だけど、夢見てるの。いつかは誰かが迎えに来てくれるって。





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