すきって言わせて
「私、やっぱり帰ります…」
「え…」
自分の中で気持ちの整理がつかなくて
早くこの場から立ち去りたかった
「今来たばっかりなのに?」
「ごめんなさい…」
不思議そうにする先輩に
私はとっさに頭を下げて
生徒会室の扉に手をかけようとした
するとその瞬間
私の隣をちいさな背中が通り過ぎて
先に扉を開けられた
「あ…」
そのまま左腕を強く掴まれて引っ張られると
走るように廊下に連れ出された