キスが教えてくれたもの♪




人は本当に悲しい時、人恋しくなるものなのだ。




この大人びた少女が拠り所にしていた、母の優しい手が無くなった今、彼女は一人で立たなくてはならなくなった。

容易に弱音を吐くわけにはいかなし、弱みを見せたりしたら、それこそ命取りなのだ。

今まで築いてきた自分というものが、崩壊してしまう。


でも……

わたしなら、彼女の強がりをわかってあげられる。

そう思った。


だって……

彼女とわたしは、とても良く似ている、そう思ったから。


それを自然と感じ取って、彼女はわたしに救いを求めて来た。

だから、わたしはそれに応えなければならない。



彼女が安心して泣ける場所でいてあげたい。



そう思ったんだ。
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