キスが教えてくれたもの♪
∞母倒れる


「キリコ、キリコ……」

「ん……、お母さん?」


目を開けると、そこは眩いばかりの真っ白な世界が広がっていた。
ほんのり暖かい。


「キリコ……」


そして声のする方には、大きく光る塊があった。
眩しくてまともに見ることができない。


「お母さんなの?」


もう一度訪ねると、光の中から二つの白い影が出てきた。


「……お父さんなの?」


一つの白い影は母の姿をしていた。
そしてもう一つの影は祖母かと思ったけれど違うみたい。
もっとずっと大きな影だった。

思い当たるのは父しかいなかった。
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