キスが教えてくれたもの♪
∞霧子心の変化に気づく




「ごめん、またやっちゃった」




暫く続いた熱いキスの後、山之辺正哉は少し頬を赤らめて謝った。


「怒ってる?」


そう聞きながらわたしの顔を覗きこむ瞳は、全く悲しみに曇らされた陰りもなく。


「綺麗な髪だね」


あいつはわたしの頭を引き寄せて、髪に口づけた。


「ど……」


わたしは咄嗟に腕を伸ばして、あいつの身体を押しのけた。


「どういうつもり?!」


「だから言ったでしょ。

俺は霧子が好きなんだって。

だからキスしちゃいけない?」


「だって、さっき、あんた泣いて……」


「嗚呼、だって……

ちょっと思い出しちゃったんだ、母さんのこと。

でも霧子が癒してくれたから」


「キスで?」


「そうキスで。

キスってさ、なんか魂の交換みたいな感じしない?

こう、ゾクゾクって……」


「ゾクゾクって……」


確かにあった、身体の置くから湧き上がる不思議な感覚。
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