【完】ラブ☆パワー全開
長い長いコールが終わり切れたと思ったら、
再び鳴り響く携帯電話。
「あ゙ー! もう誰やねん」
あたしの額にキスをひとつ落とすと、
怒った仁は携帯に出た。
「はい?」
それはそれは、
とてつもなく低ーい声で。
「……嫌や」
あたしをチラッと見つめると何度も同じセリフを繰り返す。
「あー、はいはい。わかりましたぁー」
鬱陶しそうに、
そう呟くと切った携帯を放り投げてしまった。
「どうかしたの?」
驚いたあたしに、
申し訳なさそうな顔を見せ
「ごめん、バイト戻らなあかんねん」
あぁ!
忘れてた!
仁、バイト途中だったんだよね。
「ごめん! 忘れてた! 早く行こう?」
そう言って立ち上がったあたしを引き止める。
「ゆっくりでえぇよ」
「え。駄目でしょ?」
「えぇねんて。本間やったらあがってる時間やし」
あ、そうだよね。
昨日は約束の時間前には終わるって言ってたし。
じゃあ、何で。
「バレンタインやからって休む奴とかおったりして、帰らしてもらわれへんだけやったし」
なるほど。
そりゃ帰らしてもらえないわけだ。
「じゃあ、尚更駄目じゃん。早く戻ってあげた方がいいよ」
半分本気で、
半分残念。
ってとこだけど、仕方ないよね。
それに、あたしは十分気持ちは伝わったし、ね。