約束【短編】

僕は真っ直ぐにその光が見える方へ
と、足を進めた

そして行く手を阻む茂みを
左右に掻き分けた先には


「・・・・・・・・・」


ああ、やっぱり

目の前に広がったのは芝生と、
その中心にある巨大な桜の樹


途端に10年前の事が鮮明になって
僕は少しだけその幻想に浸った

でもすぐに我に返る

そうだ、今は桜より実羽だ
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