君の魔法がとける瞬間(とき)

心のモヤモヤ




次の日も、その次の日も華乃ちゃんは学校に来た。



3人の幼なじみという事もあってか、
理事長も了承しているみたい。



でも何となく…私、どこにいればいいのか分からないな…



華乃ちゃんは、碧空さんにベッタリ…に見えるし。




居場所がない気がして、何となく部屋の外に出てみる。



「はぁ…」


またモヤモヤが私を襲う。



「どーした?」



「あぁ…陽斗さん。いえ、ちょっと一人になりたくて」




「そうか。じゃあ俺も一緒にいよう。いいだろ?ほら、ミカン」



「はい…ありがとうございます」



陽斗さんは、何も言わすに私の隣にいてくれた。



ミカンの酸っぱさが、私の涙を誘う。



「ミカン…酸っぱいです…でも、美味しい…」



「そうだな。俺も酸っぱい」


陽斗さんは、とても温かい人だ。


なんだか、落ち着く。








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