君の魔法がとける瞬間(とき)

百倍の仕返し



その日の夜、私はベランダで一人夜空を眺めていた。


東京でも…こんなにキレイに星が見える。




あっなんか、あの星寄り添って見える!




…お父さんとお母さんかなっ?



「もぉ〜娘の目の前でラブラブしないでっ」



なーんて…独り言。



でも、今頃お父さんとお母さん…照れて顔真っ赤になってるんだろうなぁ。





「なんだ一人で。寂しいやつだな」




「碧空さん!一人じゃないです!親子三人一緒ですから」




「そうか。だったら邪魔して悪かったな!」




「待って下さいっ!そんなに怒らなくても!私の隣に座って下さい」



戻ろうとする碧空さんを、私は必死に止める。





「なんだそれ。
別に怒ってなんかねぇよ。てゆうかお前の隣とか…狭いし、無理」



そうやって意地悪を言いながらも、ちゃんと私の隣に座ってくれる。




遠回しな優しさが…私は好き。






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