暗殺者と姫の逃避行

「とりあえず脱走成功かしら。」


私の言葉に苦笑するアラン。


「お前にとっては脱走でも俺に取ったら誘拐何だがな・・・。」


アランの言葉に今度は私が苦笑する。


「あら、それなら私拉致されたのね。」


まだ知り合って1日も経たないのにこんな軽口が叩けるのもなんだか新鮮。


「これからは俺の敵やら国の追手やらで戦闘が増える。覚悟はいいか?」


そんなものアランの手を取ると決めた時から出来ているもの。
これは私の人生最大のギャンブル。


プレイヤーは私、カードが命と自由ならjokerはアラン。


「とっくに出来ているわ。」


だから私は敢えて狐の如く嫌らしく笑って見せる。


「上等だ。」


そう言って笑ったアランはライオンか狼のようだった。
< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop