ゆびきり
六章 二つの恋
言葉を切り出したのは、詠士からだった。







「それで?お前は俺に何か求めることあるわけ?」







厳しい口調、イライラした様子は隠せていないけど、それ以上の緊張してる詠士も感じる。








「求めるっていうか…」







梨由はどう話せばいいかわからない様子で、言葉がどもる。







なんだろう、この会話







まるで、元カレと元カノのような雰囲気だ。







「詠士には、ずっと謝りたかった。自分勝手過ぎて…」







「本当だよ。いきなり結婚と妊娠…しかも、相手はまったく知らねえ奴」







「そうだよね…。言えなかったの」








話の内容が分からないよ。 でも、子供は確か旦那さんの子供ではないはず。詠士は知らないのかな?








いろんな疑問が浮かんでくる中、一番確信に近い質問を私はぶつけた。






「ねえ、二人は付き合ってたの?」







もう、聞かないふりは出来ない。







二人の過去を知りたい。







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