ゆびきり
詠士は私の顔を一度見ると、戸惑いながら俯く。







自分の気持ちと、向き合ってるのかな?







自分で聞いといて、後悔してる。







今なら、引き返せるかな?







「ごめん…やっぱり、答えないで…」







熱のせいかな、だんだん頭が重くなってきた。







「あ、ああ…」







詠士は、ホッとしたように髪をかきあげた。







「病人はいい子に寝てなさい」







詠士は、オーディオの電源を落とし、部屋を出ていった。






真実を聞く勇気は、私にはないよ。






私は再び、ベッドに横になり、眠りについた。







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