ゆびきり
そんな間抜けな顔の私を詠士はまた笑った。






「お前、聞きたいって言ったくせに、話すと間抜けな顔して、本当面白いよ。見てて飽きない」






「間抜けって失礼でしょ」






自分でもわかってるけど。
でも、そんな笑顔みせてくれるなら、私の間抜けな顔も良しとしよう。






それから、私たちは他愛のない会話をしながら、水族館を満喫した。







ずっと、真面目な話ばかりじゃ、せっかくのデートも台無しになっちゃう。






私の心は不安定だけど、それにちゃんと向き合ってくれようとする詠士の優しさが、少しずつ私に安らぎをくれるんだ。





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