ゆびきり
それから、私たちは普通に他愛もない会話をしていた。







相変わらず、緊張を隠しながらだが、精一杯話し、倫子とも仲良くなれた。






倫子は5つ上だった。






今日は来ないが、普段は倫子の弟の真斗がいるらしい。そして、詠士と真斗は幼馴染みの同い年。






「また、明日なら会えるかもな」






詠士がふと言う言葉に、過剰に反応してしまう。







「私、ここにまた来ていいの?」






目を丸くして聞く私を見て、詠士も倫子も笑った。






「本当、日和可愛いね。あんたみたいな子好きよ」






爆笑の倫子。






「だろ?こいつなら、仲間にしたら面白いなって思ってさ」






詠士は肩をいきなり組んできた。






「遊びの女は連れてこないんだ。だから、俺が誰かにここを教えたのは初めてだよ」







詠士はまた、満面の笑みを間近でみせてくれる。





さっき、絶叫告白したこと、きっと詠士はもう忘れているのかもしれない。





遊びの女は連れてこないって言葉が、妙に嬉しくて顔が綻ぶ。



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