Strawberry[更新停止中]
街頭のオレンジ色の光が輝き始めて、帰宅を急ぐ人々がせわしく行き交う。
疲れた顔のサラリーマン、騒ぎながら歩く女子高生。
いつもと変わらない日常は確かにすぐそこにあるのに。
私と浩太の間にあるのは、そこだけ流れゆく時を忘れたような静謐な空間と、じわじわと迫り来る何かが零れゆく確信めいた予感と焦燥。
「なぁ、侑」
トクン、と心臓が小さくはねる。
長い静寂を破った浩太の声はもう、震えてなんかなくて。
その強い心で、また一人で大きな何かを抱え込ませてしまったのだと知る。
「ありがとう」
小さく微笑む彼は、私の知っている浩太ではなくて。
"男の人"の顔をした浩太が、そこにいた。