砂漠に堕ちた天使 番外編
「お前は私の妃だ 私に次いで我が国を握っているのだからな どんな我が侭も受け入れられよう」



「そんな……」



「お前はもっと我が侭になってもいいくらいだ」



そう言っても、我が侭になれないのがお前だが。



ラシッドの愉快そうな笑い声が夜の帳が降りる闇に響く。



テントへと向かう足取りは、莉世を抱いたままだが軽く優雅だ。



中へ入ると、皺ひとつないシーツの上にゆっくりと降ろす。



「お前をいくら抱いても、抱き足りない」



身体に巻かれた布を取り去ると、ラシッドは覆いかぶさる。



再び熱いキスを華奢な体中に降らせていく。



唇が触れたすべての場所が、火をつけられたかのように熱くなっていった。



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