砂漠に堕ちた天使 番外編
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「ああ……リセを大変なことに巻き込んじゃった!どうしよう!」



部屋には眠っているファラウラとセリナ、莉世だけになると、セリナが絶望的な声を上げた。



莉世もイスに座り、髪に編み込まれた鈴を外しながらも落ち込んでいた。



結婚式まで1週間しかない。



「ねえ、貴方がジャダハールの王妃だという事を王子に話してみたら?」



セリナは良いことを考えたと口を開く。



「……まだだめよ ジャダハール国と友好国かまだわかっていないし、お兄様を不利な立場にしたくないもの……」



「リセ、お兄様って?」



「あ!えっと、話せば長くなるんだけれど、わたしは13歳の時にお兄様に拾われたから名前を呼ぶように言われていても慣れなくて、つい言ってしまうの」



「リセは孤児だったの?」



「それも複雑で……」



莉世は髪にブラシをあてながら、あいまいに頷いた。



わたしが異世界の人間だと言っても意味がわからないもんね。




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