龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
ちょっと前までは、優月さんにヤキモチ妬いてた。


だけど、圭吾さんの関心がわたしだけに向いていると分かったら


嬉しくって


その半面ちょっと怖くって


ジェットコースターな気分



「支度が終わったなら僕の部屋に行こう」


「何かいいことがあるの?」


「アイスクリームがあるよ。ラムレーズンの」


うわぁ、おいしそう


「それから二人でいられるよ」


それはステキ


「誘うの上手ね」


「そう心がけているからね」


そう言ってから圭吾さんは急に右手を上に上げて何かをつかんだ。


「なぁに?」


「虫がいた」


圭吾さんは窓を開けて、何かつぶやいた後に手を開いてフッと息を吹きかけた。


手の平にいた蝶のような虫がヒラヒラと羽ばたいて飛んで行く。


だけど


羽ばたく前に圭吾さんの手の平にあったのは、黒い紙切れじゃなかった?


ちょうどあの黒い紙人形みたいな


――と、思った

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