龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
色々考えて、やっぱり早めに圭吾さんに話そうと決めた。


でも、いつ話そう?

最近ずっと忙しそうだし……


その夜、いつものように圭吾さんの横でご飯を食べながら、いつ何て切り出そうと悩んでいると、

「上の空だね。何かあった?」

と、圭吾さんが言った。


チャンス!


「あのね、後で相談があるの」


圭吾さんが怪訝そうにわたしの方を見る。


「何? 改まって」


「家に帰りたいの」


わたしがそう言った途端、部屋の中が静まり返った。

圭吾さんの手が止まり、伯母さまと彩名さんが息を飲むのが分かった。


何なの?


「家って?」


圭吾さんが静かにきく。


「わたしの家」


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