龍とわたしと裏庭で③【黒魔術編】
わたしは圭吾さんの方にそろそろと後ずさりした。


「で、お隣りの航太くん。双子の夏実ちゃんもいるの。同い年よ」


「こんばんは」

圭吾さんは穏やかに言った。


「どうも」

航太はぶっきらぼうに言ってわたしを見た。

「帰って来たんじゃないの?」


「荷物取りに来たの。月曜まで学校が休みだから」


「なぁんだ。夏実ががっかりするぜ。お前、夏休みも帰って来なかっただろ」


「うん。色々あって」


「彼氏でもできた?」


ボッと顔が熱くなった

真っ赤になってる、きっと


「えっ! マジで?」


「大きなお世話! 中に入るよ」


わたしは圭吾さんの腕をとってマンションの中へと入った。

航太が後からついて来る。


そうだよ。隣なんだから行き先同じだった。


「なあ、マジで彼氏いんの?」


「うるさい」


あんたの目の前にいるわよ
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