だけど、俺は教師でお前は生徒
澤村が驚くのも無理もない。



俺はこれまで、一度だって澤村を特別な扱いをしたことはなかった。



沢山いる生徒の中のひとりってだけ。



そんな扱いしかしてこなかったんだから。



「……嘘……だよね??三嶋先生、あたしがかわいそうだと思って同情してるだけでしょ??」



澤村がそう思うのも当然といえば当然なんだ。



「同情とか、そんなんじゃないって。どうすれば、信じてもらえる??」



「嘘、嘘に決まってるもん……」



「じゃあ、こうすれば信じるか??」



どうしても澤村に伝えたい想い。



俺はそれを込めた、ほんの数秒の短いキスをした。



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