静かな海の兄き
知らない所
父が運転する車で

翔達は

翔だけが知らない所へ向かった。


窓の外の

流れる景色を見ていた翔は

その風景にも飽きて

目を閉じた。


「着いたぞ。」

父の声に

驚いて目を開いた翔。

えっ!?寝てた…?

そう思うほど

翔の中では

目を閉じて

父に声をかけられるまでの時間が

ものすごく短く感じたようだ。

そして

車を降りた翔の目にうつったものは…

「病院…?」

…見たことない病院…

なんで…?

誰か入院でもした?

…それなら なんか言うよな…?

そんな事を思っていた翔の右肩に

“ポン”



誰かの手が乗った。

振り返った翔は

その体勢のまま

固まった…
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