初恋ディジー


「いえ、俺は……それじゃあ、佐脇さんまた明日学校で」


榛名くんは自転車のカゴに入れてあった自分のカバンを背負い、そのまま突き当りの角を右折していった。


「ちょっと由真ちゃん?!」


彼の姿が見えなくなると、門の扉をあけて中に踏み込む。


「あんなイケメンいつの間にゲットしたのよっ!」


「だから、彼氏じゃないしゲットもしてないってば!」


もう、やだっ……


「ええ?だってわざわざ送ってくれたんでしょ?」


「暗くて危ないからってだけで、由真ちゃんが思ってるようなことはありません!」


ポストから郵便物を抜き出して、そのまま階段を上がった。
< 103 / 393 >

この作品をシェア

pagetop